胆管がんの治療

胆管は肝臓でつくられる胆汁を十二指腸まで運ぶ導管です。胆管は、肝臓の中を走る肝内胆管と、肝臓の外に出てから小腸までの肝外胆管に分けられます。肝外胆管は細い管で、肝門部、上部、中部、下部胆管の4つに区分されます。肝外胆管の途中で胆汁を一時的にためておき、濃縮する袋が胆のうです。これら肝内外胆管と胆のう、十二指腸乳頭部を合わせて胆道と言います。胆管がんは胆管の上皮から発生する悪性腫瘍です。その発生した部位の胆管により、肝内胆管がんと肝外胆管がんの2種類に分けられますが、胆管がんは通常、肝外胆管がんを指します。
肝臓は胆汁を生成し一度胆のうで濃縮し貯蔵した後、胆管を通して十二指腸に分泌して腸の消化吸収を助け、不用な脂溶性の老廃物を体外に出す排泄機能があります。この胆管に発生する悪性腫瘍が胆管がんです。初期にはほとんど症状がありませんが、進行すると食欲低下、右上腹部痛、体重減少、黄疸などが現れます。

胆管がんの手術は難しい

胆管がんは胆石を合併していることが多く、胆石による炎症の刺激によって胆のうの粘膜上皮が繰り返し傷つけられることが、発がんの引き金になっているのではないかと考えられているようです。胆管がんは周りの組織にしみ込むように拡がることが多く、腫瘍としてのかたまりをつくらないので、正確に診断することは難しいですが、近年では診断技術の発達により胆管がんを早期に発見できるようになりました。
肝外胆管は、肝臓と膵臓、十二指腸の間にある臓器で、周囲には門脈や肝動脈という重要な血管が走行しているので、手術ではどの程度までがんが拡がっているかが重要になってきます。胆管の手術では、がんが少し周囲に拡がっただけでもいろいろな臓器を切除しなければならなくなります。

胆管がんの治療体系

胆管がんは定型術式といったものはなく、がんの拡がりに応じた術式が選択されます。胃がんや大腸がんでは、診断、治療の体系がほぼ確立されてきていますが、胆管がんではまだまだとなっています。胆管がんの手術は、肝臓や膵臓などの臓器に直接手をかけるため、術後合併症や手術死亡は他の臓器の手術より高い確率となっています。手術を受ける前にはその手術のメリットと危険度をよく理解する必要があります。胆管がんの細胞は他の臓器に発生する腫瘍ほ感受性は高くなく、正常組織とそれほどかわらない場合が多いのです。放射線治療を行う場合は、がんの周囲の健常組織にはなるべくかからないようにしないと放射線による障害が前面に出てしまいます。がんを殺すために必要な線量は、がん細胞の量が小さいほど少なくて済むので、放射線照射はできるだけ狭い範囲に少ない線量で効果が上がるように工夫されています。

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